実質5時間の作業を5分にまとめた動画です
炭坑のカナリア

皮膚が薄く水との関わりが多い蛙は環境指標と言われています。蛙をモチーフに選んだ際に最初に考えたのはなるべく廃棄物を出さず、また有機溶剤系の使用を避ける事でした。工業製品風の物を制作する事は個人でも可能で緻密な造形に適した素材を使う事もできますが、量産によって生まれる多量の廃棄物がその求めている説得力を希薄にしてしまいます。

制作、販売を始めた2002年から現在まで製品素材として使用しているオーブン陶土は、緻密な造形、フォルムの制約こそありますが、家庭用オーブンで焼成する省電力性と、原型や販売用作品を制作する時に発生する余分な部分もそのまま再利用出来るので無駄ありません。そして焼成の為の繋ぎ剤以外は純粋に土から出来ていることでモチーフに似合った風合いもあります。
石膏型

より多くの人へ作品を提供する為に石膏型を制作します。
シリコン型や金型による複製とは違って復元性が劣るのでディテールの成形には原型制作と同様に時間と労力が必要になります。
モールド・彩色

モールド(表面処理)はアクリルエマルジョンに大理石の粉末を練り込んだ盛り上げ剤を使います。皮膚感とイボを表現します。彩色は水性のアクリル塗料の毛筆による手彩色です。
販売用の作品が出来るまで
原型の制作 / 彩色

原型は型取り(複雑な形にしない)や配送時の破損(細く独立した部分を作らない)を考えて制作します。出来上がったら数日自然乾燥させ焼成します。表面処理をし彩色して完成。写真撮影、ホームページに掲載。そして御注文を待ちます。
型取り

御注文があれば型取りをします。造形にかかる時間短縮の意味合いが強く、一般的な複製とは少し違います。型に粘土を詰めて圧着する事を考えて型割りをします。型の数が多くなれば、それをまとめるバックアップ型も作ります。離型剤は食器洗い洗剤(中性洗剤)の原液とラッカークリアを使います。
成型・ディテールの仕上げ

型を十分に乾燥させて使用します。粘土の中に空気が入らないように型に詰めて行きます。空気が入ると焼成の際に破裂します。すべて詰めたら型同士を圧着させるので、粘土の接地面にドベ(粘土を水で緩くしたもの)を塗り荒らしておきます。圧着させて暫く待つと石膏が水分を吸い少し縮み型から外しやすくなります。

細かい部分はほぼ復元されていないので、パーティングライン、指、目、口等を修正していきます。写真はニホンアマガエルウォールプレートですが、すべて一体となった原型では型取り、指先の再現が出来ないので、原型完成時に手足首から分離して型取りをし成型の際一体化しています。
自然乾燥で1週間程の後、家庭用オーブン(180〜200度)で焼成します。焼成時間は大きさ,量により変わります。
彩色

彩色はアクリル絵の具と面相筆とタタキ筆、そして水入れだけです。
焼成後冷めたら盛り上げ剤で表面処理(皮膚感やイボ)をします。表面処理をしたところはすでに白の塗料が混じっているので、それ以外の部分は下地を塗ります。資料を確認し、コントラストや全体の色のバランスを考えながら彩色をしていきます。
皮膚の細部や目を入れて、最後には色がはみ出たところ等をタッチアップします。仕上げにコート剤の艶あり、艶消しを塗布して完成です。